ウソの国ー詩と宗教(戸田聡stdsts)

キリスト信仰、ポエム、カルト批判など

プアマンズ

息抜きです。
 
 
  色褪(あ)せる死
 
よほど悲惨な死に方は別として
近づいてくる当たり前の死

年を取れば取るほどに
死は近づいてくるのだが
年を取れば取るほどに
死は悲しまれなくなり
死の色合いは薄れてゆく
よほど特殊な事情は別として
同世代の高齢者が
畳の上で死んだとき
号泣(ごうきゅう)する友人は少ない

先に逝っちまったか
次は自分か
そのうち自分も
みたいな共有される平板の上を
ひとりひとりの褪色が包んでゆく

年を経れば経るほどに
誰もが忘れる頃
ある日ふと

いないんだった
もういないんだ
な・・・
どこかの深い深い洞穴から
短すぎて呼べない季節のように
少しだけ身に迫る
冷気の蒼い風のひととき
 
(1999年10月13日)
 
 
  黒い土
 
やっと見つけた黒い土を
しばらく見つめたのち
手に掬って
握りすぎて指の間からこぼれないように
持って帰って鉢に入れた
何も植えずに毎日水をかけた
ときどきは目を閉じて触ってもみた
日光に明るく照らされて土
寒い季節が終わる頃
知らない小さな芽を出してきた
未熟な緑
切り取らず
切り取られず
踏み付けず
踏み付けられず今度は
たくましく生きられたらと
語りかけた芽の下に
古い友人が眠っている
 
(1997年2月22日)
イメージですから。
 
 
  思い出せば
 
思い出せば遠いようで近く
近いようで遠い
 
リウマチ熱と心臓病の60年代
10代
青年期は70年代
20代
仕事していたのは80年代
30代
アナログ電話回線でネット始めた90年代
40代
 
自転車にぶつかること3回
気を失って救急車で運ばれること3回
ホモと誤解されること2回
 
 ホモに恨みはないが
 オレは純粋ヘテロ
 
病弱なのに長生きしたほうで
それなのに幸福感がなく
過ごすほどに病は気から
病も気も老化して苦痛とともに
字だけ美しい青山に向かい
 
昔は
手書きでノートに書いた詩のようなもの
今は
キーボードタイピングと画像になり
 
進んでいるより押されていて
滑っていて転がっていて
だんだん早くなる月日は
怠慢によって加速され
 
 ホントだったと驚く思い出(中也)
 
終活は出来そうにない
このまま白くなってもいい
あまり迷惑はかけたくない
 
思いつめれば近いようで遠く
遠いようで近い
 
時間なんて過ぎてしまえば
命なんて終わってしまえば
あっ?と言わせてもくれない
 
思い出す以上に
思い起こして
思い描いて
想像して
 
そろそろと冬です
 
 
(2020年11月16日)
 
若き日より 長崎→福岡→熊本→長崎に、生きています。
 
 

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   プアマンズ(運転技術が乏しい)プアマンズ(お金が乏しい)ハーレー?
      ≒ 昔、乗ってたスズキの400ccと、熊本の阿蘇です。
 
 
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