ウソの国ー詩と宗教(戸田聡stdsts)

キリスト信仰、ポエム、カルト批判など

会うということ

 
  会うということ
 
 
精神科の面接は "対決" とも呼ばれるくらい
自分の全人格の全神経を注いでも足りないくらいの
相対性に満ちています。
 
何々検査で異常値ですからあなたは統合失調症です
などという診断の成り立たない分野です。
自然科学で語れないところの多い分野です。
 
つまり、医学・医療の中で、
今も、面接が主要な診断の手段になっていて、
いちばん人文科学のお世話になっている
という、未発達の分野だということです。
 
精神医学が検査で分かるようになるか、
あり得ないとまでは言いません。
しかし、精神病が全部
検査で診断し薬で治る病気になる
と言い切れるかと言えば、ノーでしょう。
 
医学は、人体を基盤に発達してきました。
しかし、その中で精神医学は、
心という途方もない個人の秘密を探ってきたのです。
 
好きな詩があります。不正確かもしれませんが、
 
 病院には肉体の秘密がない
 
 したがって精神はますます多くを秘密にする
 
  (谷川俊太郎
 
詩の入門書で見つけて感動した作品の一部です。
分かります。病院という場所は、
白っぽくて冷たくて、温もりも潤いもなくて、
自分の秘密を守りたくなる場所なのです。
 
私は適性もなく、自らの避けようのない必然から、
精神科を目指して医学部を受験した者です。
 
少なくとも
「好きなんよ」という博多弁?で、
面接の興味だけで、殆ど遊び心で、
未熟な医学生が面接すれば、
依存されて、痛い目に遭うだけなのです。
 
ただでさえ精神科の患者さんが抱えている秘密について
つまり病的な自我と思考について
率直に聞くということは素人には不可能なのです。
そして、一般に、やってはいけないことに分類されることです。
 
前にも書きましたが、乏しい私の体験からは、
精神科の患者さんに対しては、
"好意的な、よそよそしさ" を持つことが大切です。
 
つまり
別人格であるという意識と自覚と恐れと尊重が必要です。
だから最初は普通の敬語でなければいけません。
「なあんね」といったような砕けた聞き方は
親しみを込めたつもりでも、
馴染んでいないなら、雑であり、
相手を下に見ている乱暴な物言いです。
 
特に精神科に来る研修医の中には
精神的に劣った人を診てあげる
という上からの先入観が働いている場合があります。
そこが対等にならないと前には進めません。
 
精神科は、研修医にとって、医者にとって、過ごしやすい診療科です。
間違いが、はっきりデータとして出てこないからです。
全部、患者のせいにしても成り立つような未発達ぶりなのです。
ですから、なおのこと遊び半分で来てもらっては困るのです。
 
精神科の面接は
特殊な学問の知識、専門の知識と技とか、
そういったものが必要だから難しいと主張する向きには
なんだか怪しい高慢を感じます。
 
精神科医になった医師には、
少し変わった、半分病気のような、私のような者もいますが、
精神科医の適性は、それは、優劣ではなく、選抜でもなく、
ふつうの良心のある医学生であればよいのです。
 
精神科医の資格と適性は、高名な精神科医が決めることではありません。
誰も未だ、精神科医はこうでないといけない、とか言える段階にありません。
患者が精神科医と与え合う影響によって、
個別に決まってくるとしか言いようがないことです。
 
精神科医の適性について
自らの信念めいた決めつけを当ててくる医者は
それだけで、その医者こそが、不適性と言ってよいでしょう。
 
未だ自然科学たりえない未開の分野に
おのれの自我の思い込みを当てはめているからです。
 
そういう人間は、気取り屋で、気障で、
"ひらめきとしてね" などと平気で自慢を言ってきますし、
 
また、都合が悪くなると、
いつのまにか、いなくなったり、
踏切で素知らぬ顔をして空を見回して
知らぬふりをすることができる人であり、
 
精神科のみならず医者としての
さらには人間としての適性を疑うことになるのです。
 
"一期一会" という言葉は
一生に一度だけ会うというほどの誠意が必要だという意味らしいです。
その誠意がない人には
一生に一度も会わないことが幸いだと感じることもあります。
 
特殊な場合として
特殊な人格を持った医者と
特殊な人格を持った患者は
それぞれ医学部講師と医学生となっても
まるでカルト教祖とカルト信者のような関係が
持続することがあるようです。
そのことが、その二人以外の人に影響するなら
これ以上の災いはないのです。
 
出会うということの
恵みの不思議だけでなく
罪悪の不可解を思わざるを得ません。
 
 
近況:
 
母が入所している老健施設に行きました。今日の用事が何だったかを忘れそうなほど、暑くてぼうっとしたまま、受付から事務の人に教えられて、古い書類の切れ端と思っていたものの中に必要な本物があって、ありゃ・・という感じで、結局、入所手続きが済みました。
 
既に保健証は市役所で再発行してもらっていましたが、介護保険証と限度額認定証は、再発行してもらわなくてよかったのでした。再発行申請のための書類は、必要なかった。書類手続きは、昔から苦手でしたが、老化による健忘が加わって、自分独りで、空回りして、難渋していました。
 
あと、母のためのTシャツを持ってきてくださいと、前回、言われていて、そう言われても、家にあって、私に分かるのは、私用に買っておいた男性用Tシャツしか見当たらないので、それを2枚持っていって渡しておきました。
 
途中コンビニで、アイスを10個ほど買って、帰って来てすぐ、3個ほど、ガブガブ、サクサク、と食べました。週5日の宅配弁当があるのに、ついでに、パンとサンドイッチも買って置いてあります。母が施設にいるのに、今週は少しのんびりできるかな・・などと思っているのは甘いわけで、若い頃からの、ものぐさもいいとこです。
 
この成り行き、何とかしてくだせぇ・・と、神様に、母と私のこと、今後のこと、祈りました。拝。
 
 
(2020年08月18日)
 
 
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