ウソの国ー詩と宗教(戸田聡stdsts)

キリスト信仰、ポエム、カルト批判など

原初の信仰から


原初の信仰から
 
  
最初に信じたことが
ダイレクトに心を揺さぶったのであるなら
それは
後付けされた理屈を否定する。
 
生きている個人が最初に信じたこと
つまり原初的で根源的な信仰こそが
後付けされた傲慢な辻褄合わせの「確信」を否定する
人が作った信仰の尾ひれを否定する。
 
神を見ることがなく
仲良しになるような友達付き合いでないことが
神への恐れを生む。
神に近づくことなど出来ないと。
 
神に出来ないことはないが
人には出来ないことがある。
 
ここで
人に出来ないことに明らかに含まれるのは
神の意志と行為を確認することだ。
 
神への恐れを知るなら
神を近づけることは出来ない
神に近づくことは出来ないと知るだろう。
 
 
神は火である
人は一本の髪の毛である
 
髪の毛は
火を仰ぎ見ることしか出来ない
 
火に髪の毛をかざしても
火を髪の毛に近づけても
髪の毛は一瞬のうちに縮み上がり
燃え尽きる
 
人が生きていられるのは
神に近づくことも
神を近づけることも出来ないからだ
 
また言うまでもなく
聖人や預言者の言動を
自らに当てはめるのは傲慢である
 
 
キリスト者なら
失楽園に始まる人の肉による原罪を認めない者はいないだろう。
認めるからこそ救いを求めて信仰に至るのである。
 
しかしながら人の信仰そのものに原罪がある
ということを認める者は少ない。
 
原罪があるから信仰が必要と学んだからである。
信仰は原罪を相殺するだろうか。
 
しかし人の原罪は人の総てにわたる。
人が信仰と思うことにも及んでいる。
人の信仰は原罪を相殺しない。
そこを勘違いするとカルトの確信になってしまう。
 
多くのキリスト者は原罪から救われるために、
より強い信仰を求めている。その強さとは何か。
信仰は、神の前にへりくだることから始まっている。
つまり強さとは神の前にへりくだることだ。
 
より強く
神の前に塵に等しい人の分際をわきまえることである。
信仰の強さはしばしば履き違えられている。
  
体験から生まれた神への思いは否定しがたく、
その後の生き方に大きな影響を及ぼす。
 
しかし前にも述べたように
その体験が神からだと100%確認する根拠を
人は持ち得ない。
人の確信は原罪を含む。
 
したがって、この確信への思いは罪である。
しかし「思い」は思ってしまうのだから避けがたく、
ゆえにこの罪は「原罪」である。
傲慢の罪と違うところである。
  
信仰の原罪は肉の原罪と通じる罪であり、
どちらも避けようもなく持ってしまう罪である。
よって「原罪」と呼ぶ。
信仰は「信仰の原罪」を避けることは出来ない。
  
「傲慢の罪」は
神に対する人の立場をわきまえず
言葉や出来事において、やすやすと確信して
人と神とを結び付けてしまう所に起こる。
したがって信仰を損なうので
避けられない原罪よりも重い。
 
それは強い信仰を求めるところにおいて
しばしば犯しやすい罪である。
つまり「傲慢の罪」は
「信仰の原罪」を否定するところに起こる。
 
「信仰の原罪」を認めない者は
ますます人と神の間のいわれなき注解者となって
神を主語(守護?)にした人の確信を付け加えてゆく。
それによって失ってゆくものは
神ならぬ人としての立場、つまり人間性である。
 
「信仰の原罪」と「傲慢の罪」の違いは
「思い」と「確信」の違いであるが、
言葉にすると微妙なものになる。
 
信仰の確信という呼び方をするならば
それはは忍耐力であって
正しいという真理の確信ではない。
 
私たち信仰者は
正しい神を信じているが
神がどのように正しいかを知らない。
また神の正しさを人の言葉で表すすべを知らない。
それらは御国のものだからである。
神の正しさを人の言葉で思い込んではいけない。
 
思い込みは確信という傲慢の罪に結びつき
忍耐力は希望をつなげ続けるだろう。
 
信仰は正しさの確信の強さではなく
信仰は正しさへの絶えざる希望の忍耐力によって強くなる。
 
神に対して
「信仰の原罪」を認め自覚するならば
その自覚が
神について決めつけることを遠慮させるために
さらなる「傲慢の罪」から遠ざかる希望になるだろう。
 
信仰者は信仰の強さを求めるがゆえに
ときに強気になり傲慢にもなりやすい。
そういうときには思い出してほしい。
 
掛け替えのないものは
人において強くはない。
むしろ最も弱いところで耐え忍んでいる。
 
 
(2011年08月24日)
 
(2019年04月21日、かなり修正)
 
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