ウソの国ー詩と宗教(戸田聡stdsts)

キリスト信仰、ポエム、カルト批判など

みにくい羊

自らを呪っているような祈りのようなものです
 
  みにくい羊
 
 
みにくい羊は
いてはいけないのでしょうか
まばらに毛も禿げ落ちて
太るだけの羊は
病んで痛みにほろほろと
よろよろと躓きながら
人里離れて奥山で草を食みながら
命が尽きるのを待っています
 
飼い主に殺していただけるなら
それでよかったのです
何の役にも立たなかったのだから
 
生きるために食む餌よりも
それが最後の唯一の希望
最大の幸福なのです
 
至る所で蹴られ遠ざけられ
嫌悪の眼差しの中で
あらゆる群れから身を引いてきたのですから
 
誰もいない
誰とも関わりのなくなった地の果てに
肉体だけが無価値に長らえているだけ
 
何も見ず
何も聞かず
何も言わなくて済むように
誰の手も煩わせず
誰にも影響を与えないように
飼い主よ
おられるなら
この不器用で臆病な羊に
この離人の地にでも青山を定め
一刻も早く人知れず
永い眠りをお与えください
 
牧場の夢などもう見ません
この空しさと苦しみと痛みとともに
存在することの悪を滅ぼし
消し去って
みにくい羊を
二度とお造りにならないでください
 
 
 (2011年08月16日)
 
 
前にも書きましたが、このように、自らの境遇に、身に降ってくる災いに、ときに試練にさえも、耐えられないと感じる時には、私という信仰者の祈りは自虐的となり、神を呪う尊大さの代わりに、それよりはマシと思うのでしょうか、自分を消してくださいというような、自らを呪うかのようなものになります。このようなことは、今までもあったし、これからもあるだろうと思います。
 
ただ一つ言えることとしては、こういう祈り方をした私は、まだ生きているということです。
 
 
(2019年04月20日、加筆)
 
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